企業や組織間のデータ共有及び利活用によって新規ビジネス創出への期待が高まっている.データの再利用から新しい知識や価値の創出を促すオープンデータやLinked Open Data研究は進んでいるものの,データによって満たされる消費者の「要求」とその解決方法である「ソリューション」の再利用化や構造化についての議論はほとんど行われてこなかった.データ利活用と価値策定を促進させるためには,データの利用方法と,それによりどのような問題が解決できるのかという知識が重要であると考えられる.本論文では,データ利活用方法検討のためのワークショップInnovators Marketplace on Data Jacketsにおいて提案されたデータの利用方法(ソリューション)と解決され得る問題(要求)をRDFにより構造化し,問題解決に必要なデータ(データジャケット)を検索·推薦するシステムData Jacket Storeを提案する.本システムのアクセスログから,データ利活用案や要求についての知識の構造化と再利用により,ユーザー個人では気づき得ない,意思決定において重要なデータについての情報を発見することが可能であるという示唆が得られた.
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