市中肺炎における抗生物質の適正使用

摘要

市中肺炎の治療の中心は抗生物質の投与であるが，本邦においては，従来より薬剤の選択に十分な考慮がなされず安易に抗菌薬が投与されてきた傾向があったことは否めない．近年，新世代セフェム系薬やカルバペネム系薬などの広域スペクトルを有する薬剤が開発され，感染症の治療薬の選択の幅が広がったが，これらの薬剤投与の必要がないような症例にまで使用されていることがしばしば見受けられる．