私たちにとっての「安全」とは何か: 原子力安全委，第10回原子力安全シンポジウムを開催

摘要

原子力安全委員会は2月7日，「私たちの安全」をテーマに原子力安全シンポジウムを開いた。 この会合は，安全委員会が全国各地で開催している公開シンポジウムの一環として実施しているもの。 平成12年8月に東海村で開催したのが始まりで，今回は10回目にあたる。 当日の会場には152人がつめかけた。 会合では日本学術会議会長の黒川清氏がまず，「安全と安心」をテーマに基調講演。 同氏は科学技術の進歩によって，世界はめまぐるしく変わりつつあること。同時に，世界は共有する部分と偏在する部分とが際立ってきていると分析。 さらに安全や安心は，そうした状況の中で考えていかざるをえないと指摘した。 続いて安全委員会の鈴木篤之委員が，「原子力の安全確保では，実質的に安全が確保されているかどうかという実体的安全性だけでなく，安全確保に至るまでの手続きの妥当性や透明性に関する手続き的安全性も重要になってきていろ」と述べた。 後半のパネル討論では，食品や防災などの専門家が，それぞれが考えろ「安全」についての考え方を紹介。 その後に，各分野に共通する安全の概念や，科学的知見と政策決定のあり方などについて議論した。 ここでは，わたしたちの暮らしとかかわる安全をテーマとしたこのシンポジウムのあらましにスポットを当てた。