CDNEを用いた伝導妨害波測定に関する検討－不平衡減衰量特性の必要性

摘要

国際無線障害特別委員会（CISPR）にて、照明器具から発生する30～300MHzの放射妨害波測定の代替法として、CDNE （Coupling and Decoupling Network for Emission）を用いた伝導妨害波測定の基本規格化が検討されている。本試験法が基本規格に採用された場合、様々な機器、ポートへの適用が可能となる。しかし、現状のCDNEに関する要求条件には不平衡減衰量（Longitudinal Conversion Loss: LCL）が含まれていないため、妨害波にディファレンシャルモード成分が含まれるポート、例えば通信ポートの伝導妨害波測定に適用した場合、通信線の電気的不平衡により発生する妨害波を適切に測定できないことが懸念される。本報告では、通信ポートのように平衡信号を伝送するポートの伝導妨害波測定にCDNEを適用した際の問題点に関して、理論的かつ実験的に検討を行った結果を示すとともに、CDNEに対するLCL要求の必要性を示す。