フェムト秒レーザー加工を用いた生体への情報記録

摘要

我々は，新しい情報の所持方法として爪を記録媒体とした3次元光記録を行う．フェムト秒パルスを記録光源とし，爪内部にビットを記録し，記録されたビットの大きさを調べ，記録密度の試算を行う．記録密度は3.6Gbit/cm{sup}3と試算される．我々は，ビットの記録された部分の爪が爪自身の自家蛍光よりも強い蛍光を発することを発見した．ビットの記録部分と周囲の爪組織の蛍光スペクトルの比較と，ケラチンの加熱実験の結果から，フェムト秒パルス照射により爪組織においてケラチンの変性が生じることによって蛍光が増加している．この蛍光の増加を利用し，蛍光観察により3次元的に記録されたビットの読み出しを行う．