ANCシステムにおける2次経路の推定誤差による影響の解析と低演算量型LRLSアルゴリズムの応用

摘要

ANCシステムにおいて，RLSアルゴリズムを用いたFiltered-Xアルゴリズムは，2次経路の変動や不確かさによって生じる真値と推定値との誤差によってシステムが不安定になる可能性を有している．悪条件の入力信号や有限精度演算下での数値的不安定性を解消する手法の一つとしてリーク係数を導入したLeaky RLS (LRLS)アルゴリズムが提案されている．本稿では，2次経路め推定誤差によるシステムへの影響をFiltered-X RLS (FXRLS)およびLeaky Filtered-X RLS (LFXRLS)アルゴリズムを用いて比較，解析を行う．また，従来のLRLSアルゴリズムにRecursive Levenberg-Marquardtアルゴリズムを用いて演算量をO(M{sup}2)へ削減したアルゴリズムのANCシステムへの応用についても検討を行う．