デジタルデータがある時点で存在したこと,改竄されていないことを証明する有効な手段にデジタル署名による時刻認証法がある.従来の単独時刻認証局には運用コストや性能スケーラビリティの問題が存在し,その解決を試みた従来の分散時刻認証法には多数の時刻認証局をどうやって設置するかの問題が存在する.既存のこれらの問題を,我々は,多数の時刻認証ユニットを用いて相互に時刻認証を行うK=L+M among N for G-generation分散時刻認証法で解決出来ることを示して来た.またローカルネットワーク上のクラスタ環境で動作パラメータ依存性等の基本動作を検証して来た.今回はインターネット上の複数のサイトで分散時刻認証ユニットを設置し,すなわち分散時刻認証グリッドを構築し,ネットワーク遅延時間が認証時刻にどのような影響があるかを調査した.さらにその結果から認証時刻を,応答があった場合の算術平均とした場合に時刻認証ユニット数を幾つ用いすれば1秒以内となるかを検討した.その結果,本報告で検討した動作パラメータではTSUが256よりも多く用意すれば認証時間の算術平均が1秒以内となることが明らかとなった.最頻値を用いることで算術平均よりも遅延の小さな認証時間を得られる事が明らかとなった.
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