スギ構造材柱脚柱頭接合部のめり込みクリープ

摘要

宮崎県産スギを用いて軸組構法の柱脚柱頭接合部試験体（Ⅰ型）を試作し，それらのめり込みクリープ性能を検討した。 この場合，実験期間は何れも約1年間とし，温湿度条件は実用性を考慮して大気条件（自然環境）とした。 結果として，891kgfや297kgf（通常の住宅レベルにおける荷重）の条件下での負荷1年経過時の沈み込み量（めり込みクリープに土台の厚さ方向収縮量を加算した値）は，未乾燥材試験体で2.02～3.59mmとなったのに対し，乾燥材試験体では0.0165～0.774mmと極めて微少となった。 この結果から，通常の住宅レベルの荷重下であれば，部材の含水率に配慮した施工を心がける限りスギの土台としての適合性に大きな問題はないと考えてよい。