漢字の判別読みに関する一検討

摘要

視覚に障害がある人達は、テキストなどの視覚情報の直接的受容が難しいことがある．このため、テキストを読むとき、あるいは日本語文を作成するときなどに、意図した漢字が適切に選択ができる代替的な手段が必要となる．本稿では、ある漢字を他の漢字と分離し、正確に特定するととを目的とした、漠字の音声による説明（音声説明文：判別表現(Distinctive Expression)））の構成方法について、体系的な視点から検討する．教育漢字、さらに対象漢字を拡大した場合に、説明文作成の要因群と、それらを満足するための考え方（ガイドライン）も述べる．特に、説明文作成おいて、漢字ごとに一義的に説明文を決めることが望ましいものと、作成者め判断にまかせながらも共通的な枠組みを維持するものとに分けるという考え方を述べる．