改良型Wheeler法におけるアンテナ放射効率の落込み回避について

摘要

導波管及び可動短絡を用いる小形アンテナ放射効率測定法によってモノポールの効率測定を行うと，特定の周波数において落込みが生じる．本論文では，可動短絡の損失を考慮した伝送線路モデルを導入し，効率落込み現象を説明するとともに，その回避法について言及する．導波管内に挿入する左右の二つの可動短絡をともに移動させると，キャビティの空胴共振周波数において効率落込みが生じる．このため，効率落込みを回避するための二つの可動短絡の移動範囲について検討を行った．また，片方の可動短絡を任意の位置に固定した場合，特定の周波数において放射効率に落込みが生じる．このため，可動短絡の固定位置の範囲を限定することで落込みが回避されることを確認した．