自動車運転時の作業負荷の連続的評価について--乱数生成課題を用いた検討

摘要

本研究は作動記憶理論における中央実行系の効率評価手段である乱数生成(RNG)課題を用いて、新しく開発された分析法「軸モデル」により、自動車運転における運転者の運転疲労と運転時の情報処理負荷について検討した。 実験1では運転疲労については5日間にわたる自動車旅行中の運転前後に複数のRNG課題を施行した。 結果は、日程の経過に伴う蓄積疲労の要因は明確ではなかったが、運転直後の疲労は情報処理効率の低下として現われた。 実験2では運転時の作業負荷を評価する試みとしてカーレースのビデオゲームを主作業、RNGを副次課題とする2重作業課題事態で実験を行ない、時系列的に情報処理機能を連続評価する新しい分析を試みた。 その結果、自然数系列の反応傾向が、運転作業負荷の増大を敏感に検出する指標であることが示された。