新世紀の下水道が集める水と物質はなにか

摘要

西暦2000年は，わが国の最初の下水道法（旧下水道法とよぶ）が制定された1900年（明治33年）から数えて，100年になる。 下水道にかかわるこれまでの100年とこれからの100年を考えるのにはいいタイミングである。 明治の下水道は合流式であるが，し尿は入っていなかったし，食生活を含む水使用量もはるかに質素であった。 当初のロンドンやパリの下水道においても，雨水の排除と雑排水の排除が主たる目的で，し尿は別に考えられていた。 水洗便所と下水道が直接的な目的で結び付くのは，相対的に新しい。 1970年（昭和45年）からは，下水道法の改正により，わが国では分流式の下水道が主たるシステムとなったが，諸外国ではいぜんとして合流式が主流である。 下水道がどのような水を集めるか，集めないかは改めて考え直す時期にきている。 下水道100年の計を真剣に考えるべき時期である。