低曲げ損単一モードホーリーファイバの一設計法

摘要

光通信システムに対する大容量化と低コスト化の要求が高まるにつれて，小さな曲げで敷設や収納が可能な光ファイバを用いた高密度配線や宅内配線が求められている．この要求にこたえるために，最近，通常の光ファイバのコア周辺に複数の空孔を設けた構造のホーリーファイバ (HF)が注目されている．HFにおいては，空孔径を大きくすることにより，曲げ損を低減することができるが，大きな空孔径を用いると，マルチモードファイバとなる問題がある．また，通常の光ファイバと同様に，モードフィールド径 (MFD)を小さくすれば，曲げ損を低減できるが，この場合，標準的なシングルモードファイバと低損失で接続することが難しくなる．ここでは，ゲルマニウムを添加したコアの周囲に空孔を2層設けたHFを考え，コア径と空孔間隔，及び各層の空孔直径を適切に設定することで，許容曲げ半径が6.5 mm以下，カットオフ波長が1.25 μ m以下，MFDが波長1.55 μ mにおいて約9 μ mのHFが設計可能であることを報告する.