Geナノドットをワイドギャップ半導体であるSiCで埋め込んだ構造はその強い電子閉じ込めにより光通信に利用される赤外域の量子ドットレーザーとしての利用が期待される.このSiC埋め込み型高密度Geナノドット構造形成を目指して、我々はSi(001)-2° off 2×1清浄表面上でのモノメチルゲルマン(MMGe: GeH{sub}3CH{sub}3)の表面反応と高密度ナノドット形成実験を行い、走査型プローブ顕微鏡及び反射高エネルギー電子線回折(RHEED)により原子スケールでの構造変化の観察を行った.反応時に基板温度を数秒間隔で低温と高温の交互に繰り返すパルス温度制御法を用いることにより、基板温度一定でドット形成を行う従来の成長法に比べ1桁以上高密度で10nm以下のドット径のそろった高密度ナノドット形成に成功した.これは、Geのナノドットによる量子効果発現が十分可能な大きさである.またX線光電子分光(XPS)による表面分析からGe-Ge、Si-C結合の存在が確認され、その角度分解測定(ARXPS)からGeが表面層に局在していることが見出された.
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