金属の3次元積層造形法としては，レーザや電子ビームを熱源としたパウダーベッド方式（PBF; Powder Bed Fusion)が一般的で，多くのメーカから造形装置が販売されている.一方，大型·高速造形の点で最近注目されつつあるのがレーザメタルデポジション（LMD; Laser Metal Deposition)方式である.レーザメタルデポジションは，指向性エネルギー堆積法(DED; Directed Energy Deposition)とも呼ばれる.パウダーベッド方式とレーザメタルデポジション方式の概略図をFig.1に示す.パウダーべッド方式では，敷き詰められた金属パウダーにレーザや電子ビームを照射して溶融させるのに対し，レーザメタルデポジション方式は，レーザで下地を溶融させ，溶融させた領域に選択的に金属パウダーを供給して造形してゆく.造形中の様子をFig. 2に，レーザ照射部の挙動を高速度カメラで撮影した写真をFig. 3に示す.通常，金属パウダーとしては粒径30-70 μmのガスアトマイズ法による球形パウダーが用いられる.材料は，ステンレス，鉄，ニッケル基合金，銅合金に加え，アルミ合金，チタン合金等の軽合金が使用できる.
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