水晶振動子を用いたBiotin修飾マイクロバブルの特異的吸着の計測

摘要

標的部位に特異的に吸着する標的指向性マイクロバブルは，超音波造影剤や超音波ドラッグデリバリーシステム（Drug Delivery System：DDS）における薬物運搬体への応用が期待されている．本報告では標的指向性マイクロバブルとしてBiotin修飾マイクロバブルを作製し，水晶共振子型質量センサ（Quartz Crystal Microbalance：QCM）を用いてその標的指向性の評価を試みた．QCM表面上にBiotin化自己組織化単分子膜，さらにはStreptavidin を固定化し，Biotin-Avidin-Biotin結合を介して，バブルをQCM表面上に特異的に吸着させる．バブル吸着によりQCMの共振特性が変化することが期待される．ネットワークアナライザを用いてQCMの共振周波数の変化を計測することで，センサ表面へのStreptavidinの吸着，Streptavidin膜上へのBiotin修飾バブルの捕捉を確認した．コントロール実験として，Biotin修飾していないバブルを使用して同様の実験を行い，Biotin修飾バブルはBiotin非修飾バブルに比べて優位な周波数変化を示すことを明らかにした．