抗体閼連型拒絶反応に対する治療戦略DSA，抗HLA抗体

摘要

主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex ： MHOは.非自己抗原の認識を担当す る多型性に富む分子であり，臓器移植後の免疫標的と なる.ヒトのMHCであるhuman leukocyte antigen (HLA)は，腎臓移植においてその適合度が予後に影 響を与えると考えられ，1990年代には正確なHLAタ ィピングに精力が注がれた.2000年代になり，優れ た免疫抑制薬の開発などに伴い，ドナー/レシピエン ト間のHLA適合性のバリアを越えて，細胞性拒絶反 応（acute cellular rejection ： ACR)の発症率は低下し，短期の移植成績は劇的に向上した.