Blockmaster~Tのタンパク質安定化効果およびそのメカニズム

摘要

水溶性合成ポリマーであるBlockmaster~TDB1130とPA1080はタンパク質の安定性を飛躍的に向上させることが明らかとなった。DB1130あるいはPA1080を添加することにより，凍結融解試験や加速試験後もぺプシノーゲン(PG)(I)(II)の反応性が高いレベルで維持された。さらに，前立腺特異抗原(PSA)の熱変性を抑制する優れた効果も確認された。水晶発振子マイクロバランス法(QCM),示差走査熱量計(DSC)および表面プラズモン共鳴(SPR)を用いてタンパク質の安定化メカニズムを調べたところ，Blockmaster~Tの添加により(a)タンパク質の容器への吸着を抑制すること，(b)緩衝液中のタンパク質の高次構造を維持させることが明らかになった。