2021年 日本皮膚科学会行事?その他

摘要

第120回日本皮膚科学会総会を,令和3年6月10日（木）から13日（日）の4日間にわたり,パシフィコ横浜で開催いたします.コロナ禍から抜け出すことはできませんが，皮膚科医ならびに関係者の皆さまを，会頭として全国からお迎えできることを光栄に存じます.学会のテーマは「Dermatologic, Dermatropic, Dermatrophic」で，2つの造語を使っての「デルマ三段活用」と銘打っています.今を遡ること約70年,1952 年のJAMA 149:82にcorrespondence として掲載されているWerner Steinbergの提言,"TROPHIC vs TROPIC"からヒントを得たものです.当時,trophicとtropicは論文の中で混同されており,例えばgonadotrophic（性腺刺激）, luteotrophic （黄体刺激）と呼ばれるホルモンはhypertrophicやatrophicと同様，栄養を意味するτρоφηというギリシャ語に由来するのですが,本来は向性を表すτρоφηに由来する一tropicを用いるべきだ，という主張です.そこで私は，皮膚科にいろいろなベクトルを向かわせる，そして結果的に皮膚科を繁盛，発展させたいという意味で両者を並べて使いたい，それには一（to） logicも不可欠ということで,三段活用を目論んだわけです.