美しい鱗模様ビードを得るための新しいアーク溶接法の開発

摘要

自転車や自動二輪車などのフレームにおいて，車体の軽量化を実現するために，アルミニウム合金が使用される場合が多い．これらのフレームの溶接ビードにはデザイン性が求められる傾向にあり，鱗模様ビードが好まれる．鱗模様ビードを実現するため，ティグ溶接が多用されているが，手溶接のティグ溶接は溶接速度が遅いという課題がある．生産性を高めるために，ミグ溶接ロボットの導入が要望されている．ミグ溶接において，鱗模様ビードを得るためには，溶接ロボットの移動，停止を繰り返して溶接ビードを断続的に形成するステッチ溶接が用いられていた．しかしながら，従来のステッチ溶接では，ロボットの移動，停止を繰り返すことから，ロボットやワークの振動がビード形状に悪影響を及ぼす課題があった．また，従来のステッチ溶接はパルス溶接で行われていたが，溶接開始部においてスパッタが発生する課題があった．