緑内障治療薬の現状

摘要

緑内障は,全世界における中途視覚障害の主要な原因疾患であり, 視神経障害に起因する視野欠損を特徴とする進行性かつ非可逆性の視神経症である. しかし,現在まで視神経を直接保護する神経保護治 療は実用化に至っておらず, エビデンスに基づいた唯一確実な治療法は眼圧を下降させることであるため, 作用機序の異なる多くの眼圧下降薬が開発されてきた. 本稿では,緑内障治療薬の現状と課題を概説し新規緑内障治療薬の開発状況についても紹介する.