16週間の一次治療後に病勢安定または奏効した転移性大腸がんにおけるカペシタビンと アクティブモニタリングの比較——ランダム化F0CUS4-N試験結果

摘要

転移性大腸がんの治療は，許容されない毒性が発現す るか病状が進行するまで緩和的化学療法が推奨されてい る。米国のNational Comprehensive Cancer Network (NCCN)ガイドライン1)では,4~6カ月の全身性抗が ん薬による導入療法で病勢コントロールが得られた患者 に対してカペシタビンとベバシズマブによる維持療法が 推奨されており，わが国でも当該維持療法が活用され る。しかしながら，本来であればこの維持療法がQOL を悪化させずに全生存期間(OS)を延長する目的で実 施されるべきであるが，実際はOSに大きな影響を与え ず医療費を増加させる現状があった。また，カペシタビ ンには,下痢,疲労,吐き気，手掌足底感覚異常症 (PPE)の毒性があるため，最近の研究では，維持療法 の代替アプローチとして,アクティブモニタリングによ る治療中断が支持されていた。