特別講演「赤血球型検査の進展」

摘要

ABO血液型には遺伝的に抗原量が少ない亜型が存在 し,その表現型には多数のバリエーションがある.通 常,亜型分類は赤血球上の抗原量,各種レクチンとの 反応性,抗A （抗B）を用いた吸着解離試験,血漿（血 清）中の不規則性抗A又は抗Bの有無,血漿中の糖転 移酵素活性,唾液及び爪の型物質の有無などを総合的 に判断し分類されてきた.弱陽性や部分凝集反応を客 観的に観察するフローサイトメトリー （FCM）解析は, ABH抗原量の観察や血液型キメラと抗原減弱等の鑑別 には非常に有用である.また,最近では亜型精査のー 部にABO遺伝子解析が取り入れられている.