てんかんの診断と治療における 異分野連携の重要性

摘要

各種脳病態の脳波は正常の脳と異なる各種病 態の作動原理を明らかにできる。倒えばてん かん発作の際中の脳波を調べることで，各種 てんかん発作に潜む共通するダイナミックな 作動原理を明らかにすることができる。かつ て臨床脳波は主に興奮性シナプス後電位を反映すると理解されていたが，現在ではWide band EEG(広蒂域脳波 > が容易に記録される ようになり，グリア由来のslow電位やさらに一部は活動電位が臨床脳波にどのように反 映されるかも明らかにされてきた。その中で， 醮床医学と数理科学という異なる分野の研究 者が連携し，てんかん発作の脳波のダイナミ ズムを数理的な裏付けのもとに分類、評価す ることは，てんかん病態をより細かく正しく理 解し，数多くの抗てんかん薬や刺激療法，焦点 切除術などの選択肢の中から，個別に最適なものをprecision medicineとして選ぶことにつな がってゆく重要な第一歩とみなされる。