PEDOT:PSS/ZnOナノロッド/ZnO:Gaヘテロ接合のUV光検出特性への熱処理の影響

摘要

大気中での熱処理を施したZnOナノロッド（NRs）層を用いたPEDOT:PSS/ZnO NRs/GZOヘテロ接合の紫外（UV）光検出特性が調べられた．暗状態での電圧-電流密度特性における整流比は，熱処理温度の上昇とともに低下した．光電流（PC）スペクトルは，ZnO NRs層中でのキャリア生成プロセスの変化を反映し，熱処理温度およびバイアス電圧に依存して変化した．PCの時間応答測定から熱処理温度の上昇に対して立ち上がり時間は増加するのに対して，立ち下がり時間は減少することが明らかになった．熱処理を施したZnO NRs層のPLスペクトルでは，可視域発光帯のピーク波長が熱処理温度の上昇とともに長波長側にシフトする傾向が見られた．これはZnO NRs表面に形成される主要な欠陥種の変化，さらにはPEDOT:PSS層とZnO NRs層間に形成される界面準位の変化の可能性を示唆している．