SS-5-4 造血細胞の輸注時有害事象

摘要

輸血には,日本赤十字社において成分毎に分離のうえ製剤化された血液製剤が用いられる.それに対 し,造血細胞移植に用いられる産物として,臍帯血は公的バンクにおいて調整?保存されるが,それ 以外の骨髄液や末梢血は一般の医療機関において調整?保存が行われることから,施設による方法の 相異を考慮する必要がある.また,各産物には造血幹細胞以外の造血細胞や血漿成分,凍害防止剤の DMSOなども含まれている.従って,造血細胞移植における細胞産物の輸注に際しては，産物の施設 間差や造血幹細胞以外の様々な成分による,品質の不均一性を考慮すべきである.従来,造血細胞輸 注に伴う副反応(hematopoietic cell infusion-related adverse events ;以下 HCI-AE)については，後方 視的検討からDMSOの役割の検討が散見される程度の状況であったため,我々はHCI-AEについて 前向き観察研究(#UMIN000012095)を行った.