GHGメタンに係る動向と「EUメタン戦略」

摘要

2020年10月に菅首相が「2050年、カーボンニュートラルの実現を目指す」と宣言したが、日本のみならず世界全体で地球温暖化抑制のためにGHG（温室効果ガス：Green House Gas）の排出量削減による脱炭素化エネルギー社会に向けた動きが怒濤のような様相を呈している。カーボンフリーの太陽光発電や風力発電を最大限に導入拡大しようとするのは勿論の事として、2030年代にはガソリン自動車の販売を禁止するとか、石炭火力の新設を禁止するとか、社会システムにまで関わる大きな変革を求める動きも大きくなっている。GHG排出量削減の主たる対象はエネルギー使用起源のCO_2であることは論を俟たないが、最近ではCO_2に次いで温暖化影響があるメタンガスの排出についても排出削減を求める声が上がってきており、そうした流れの中で2020年10月14日にはEU（欧州連合）の欧州委員会（European Commission）が「EUメタン戦略（EU Methane Strategy）」を公表した。