EL-10 血漿交換療法の実際

摘要

血漿交換は，自己抗体をはじめとする,アルブミンよりも大きな分子量を持つ病因物質の除去，大量 の血漿の輸注を行う際に用いられる治療法である.いずれの場合にも,いったん血漿を分離する必要 があるが,我が国では，多くの場合,膜型血漿分離膜によって血漿分離が分離される.病因物質の除 去を考えた場合,単純血漿交換で分離した血漿をそのまま廃棄すると,大量の血液製剤(アルブミン?新鮮凍結血漿)が必要となる.このため,必要とされる血液製剤の量を減らすため,二重濾過血漿分 離交換法(DFPP),血漿吸着(免疫吸著)が開発されている.DFPPでは必要なアルブミン量が約半 分に減量することが可能で,血漿吸着ではアルブミンは不要である.