SP-20 岐阜県合同輸血療法委員会での岐阜県内中小病院輸血担当技師への支援活動報告

摘要

輸血担当技師の知識や技術の向上や,新人教育の場として,各都道府県の検査技師会主催 の研修会があげられる.岐阜県合同輸血療法委員会においては,輸血療法の適正化推進には輸血担当 技師の教育が重要な要素の一つと位置づけ,各県同様の年数回の技師会研修会に加え,岐阜県合同輸 血療法委員会主体で輸血療法の適正化推進を目的とした県内中小病院輸血担当技師への技術支援と相 談支援を行っている.岐阜県合同輸血療法委員会での2019年度の岐阜県内中小病院輸血担当技師への 支援活動を報告する.【目的】輸血担当技師への技術支援と，病院間で相互連携体制による相談支援を 行い，岐阜県内医療機関の輸血療法の適正化推進向上を図る.【方法】技術支援として,県内での輸血 実績のある医療機関を対象に輸血実技研修会を開催し,血液型検査,不規則抗体検査の実技研修を行っ た.相談支援として，岐阜県内の血液使用量上位医療機関の輸血技師ネットワーク相談支援体制を構 築し，IA視察実績のある認定輸血検査技師が支援者となり,病院間での相互連携を行い,管理面の 相談支援を行った.【結果】実技研修会では,岐阜県内の26施設40名の技師が参加し，正しい知識と 技術を学んだ.相談支援においては,廃棄率削減,管理料取得,技師の育成について話し合った.【ま とめ】実技研修会では,県内の小規模施設の技師や,技師会に所属していない技師の参加も多く,岐 阜県合同輸血療法委員会が主体の活動の成果であり,岐阜県の輸血担当技師の知識と技術の底上げに 繋がったと考えられる.相互連携では,管理体制の相談支援により廃棄率削減,マニュアル改定，管 理体制改善,管理料取得,認定技師合格など,様々な成果がみられた.岐阜県合同輸血療法委員会主 体の支援教育活動により,技師会活動では届かない部分に活動の幅が広がり,岐阜県内の輸血担当技 師の適正使用推進活動に向けての環境が整備されつつある.