SA-2-3 企業の視点を踏まえた原料血漿の安定供給体制:第二採血事業者の可能性

摘要

世界に供給される血漿分画製剤の79が欧米先進国で製造されている.世界中で製造された免疫グ ロブリン製剤の74が欧米先進国で消費されている.一方で,世界の血友病患者の75,原発性免疫 不全症患者の75が凝固因子製剤や免疫グロブリン製剤にアクセスできず適切な治療を受けること ができない環境にあると言われている.日本では免疫グロブリン製剤の需要が拡大し続けており,将 来的な原料血漿の安定確保リスクが高まっている一方で,遺伝子組換え製剤等の代替医薬品の供給量 の増加で国内需要が減少した凝固因子製剤等の余剰原料成分が有効活用されていない状況がある.原 料血漿の安定確保の課題は日本だけでなく欧米でも同様で，大手海外分画製剤事業者は欧米での需要 増に対応するため採血事業子会社の血漿採血拠点の新規増設を急いでいる.