省エネ大賞·優秀事例に見る秀逸の取り組み 2019年度省エネルギーセンター会長賞より: 第41回 ショッピングセンターにおける無線通信を活用した空調·照明の消費電力量削減

摘要

本件は，大型ショッピングセンター（SC）で共用部の電気使用削減に取り組み，成功した事例である。年550万人が訪れる同SCは，不動産証券化スキームを活用した運営体制で，その組織構成は投資家から運用マネージャーや運用会社までと複雑である。こうした中，同SCのアセットマネージャー（AM）が，2015年2月にラサール不動産投資顧問へ交代になったのを契機に，省エネ活動を活性化させた。具体的取り組みとして，照明については4,120台に達する共用部分照明の全LED化と，センサによる自動無線調光制御化を実現した。また，空調機に関しては，インバータ変流制御やバッテリー内蔵型の無線温湿度センサによる自動制御化などを行った。その結果，従来の使用エネルギーの約30に相当する，約490kLのエネルギー使用量（原油換算）を削減し，大幅な省エネを達成した。同省エネ取り組みの最大バリアは，投資家より省エネ投資承認を得ることであったが，AMがリーダーシップを発揮し，プロバティマネージャー及びマネジメント会社と一体となって取り組み，実現に導いた。