電力産業の現状と今後の課題

摘要

2016年4月に電力小売全面自由化が開始され，6年以上が経過した。2022年5月時点で登録小売電気事業者は798社にも達している（販売実績のある小売電気事業者は541社であった）。新電力への離脱も進んでおり，2022年5月時点で特別高圧分野における新電力のシェアは8.4,高圧分野では24.5，低圧電力分野では17.7，低圧電灯分野では24.9，総需要では19.5となっている。図1の通り，2021年夏季以降減少傾向にあるものの，2016年4月以降，各分野で離脱率が大きく高まったことが分かる。地域別に見ると最も離脱率が高いのは東京電力で 29.7,次いで関西電力·北海道電力19.9となっており，最も離脱率の低い北陸電力でも10.4といずれも10を上回っている。