1985年以前は成長中の胎児への配慮から,妊娠中の運動は望ましくないと考えられて いた.妊娠中は十分に休養をとり,身体活動には参加しないことが望ましいと考えられて いた.2002年になると,アメリカ産科婦人科学会(American college of obstetricians and gynecologists : ACOG)は「低リスクの妊婦」に対して,1日30分程度の運動を推奨 するようになった.また,妊娠前からとくに運動習慣がなかった妊婦であっても,妊娠後 に運動を始めることは安全であるとみなされるようになった.2015年のACOGにょる提 言では,妊娠中の運動によるリスクは極めて低く,多くの妊婦にとって有益な作用をもた らすとしている.しかし,運動の内容は非妊娠時と比較しいくつかの点で注意を要する.
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