画像解析における研究者自身によるプログラミングの有用性とその実際

摘要

要約:複雑なモダリティを有する顕微鏡画像の定量化には膨大な労力を要する.この点で,研究者自身によるプログラミングほ,研究の効率化に貢献するゲームチェンジャーとも言えるものであるが,あまり普及していない.一方,小学校では,2020年度からプログラミング学習が必修化されている.プログラミングを学ぶということは,難解なプログラミング言語を学ぶことだと思われがちだが,小学校におけるプログラミング学習の主な目的は,物事を論理的に考える「プログラミング的思考」を身につけさせることにある.近年の画像解析ソフトの多くにプログラミング言語が搭載されている.顕微鏡画像の解析に研究者が自らプログラミングを導入することには多くのメリットがあり,論文の生産性を向上させることにとどまらず,研究の質的な向上にもつながる.本稿によって,研究者自身によるプログラミングの有用性がより理解され,研究力の向上に役立つことが期待される.