プラズマ溶射耐環境コーティングのき裂自己治癒性に及ぼすSiC添加量及び粒径の影響

摘要

全世界的に喫緊の課題となっている地球温暖化に対して，航空機業界では低燃費で環境負荷の低い航空機エンジンを開発することが求められている．燃焼温度を上げることで熱効率が向上し，さらに部材を軽量化することができればより小さなエネルギーで飛行することが可能である．したがって，燃焼温度を向上させ，かつ重量を軽減するために部材をNi基超合金からSiCセラミック基複合材料に転換する研究が進められている．しかし，高温水蒸気環境下では，以下に示す式およびの化学反応によってSiCはH_2Oと反応し，Si(OH)_4となり揮発·減肉してしまうという問題がある．そこで，水蒸気酸化からSiC基材を保護するために耐環境コーティング（Environmental Barrier Coatings: EBC）の導入が必要不可欠となっている．