未治療遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するオシメルチニブ療法の全生存期間

摘要

オシメルチニブが登場するまでの長い間，epidermal growth factor receptor tyrosine kinase inhibitors (EGFR-TKIs)の第一世代であるエルロチニブやゲフイチニブがEGFR遺伝子変異（exon 19欠失変異または L858R変異）のある非小細胞肺がん（non-small-cell lung cancer ; NSCLC)の標準治療であった。オシメルチニブはT790M耐性遺伝子変異もしくは中枢神経系転移のある患者において効果を示している第三世代の不可逆的な選択的EGFR-TKIsである。遺伝子変異のある未治療の転移性NSCLC患者において，オシメルチニブに対するエルロチニブもしくはゲフイチニブの効果を評価したのがFLAURA試験である。そのprimary analysisが2018年に報告15され，標準治療であった第一世代のEGFR-TKIsに比較して，オシメルチニブが有意に無増悪生存期間（progression-free survival ;PFS)を延長させた。当該論文は，その既報で未確定であった，データの最終的な全生存期間（overall survival ;OS) における結果を報告したものである。