肥満形成におけるMEO遺伝子の関与

摘要

自閉症性発達障害を認める疾患の一つであるレツ ト症候群は，遠伝子の転写調節に中心的な役割を持つMethyl-CpG binding Protein 2(MECP2)遗伝 子の異常に起因する。レツ卜症候群の軽症型が肥 满を合併しやすいことが報告されており，我々は レツト症候群の肥满形成メカニズムについて視床 下部の摂食調節機構，報酬系の食行動調節機構に 着目し分子生物学的に検討した。Mecp2W-マウス の高脂肪食負荷群はWTマウスの惠脂肪食負荷 群と比較すると有意に体重と摂餌量，皮下、内臓 脂肪の增加，血漿レブチンの增加を認め，視床下 部ではリン酸化STAT3が增加しているにも関わ らずAgRP蛋白の発現增加，POMC蘆白の発現 低下を認めた。また報酬系のDarpp32 mRNAの 顕著な低下を認めた。MeCp2*"マウスは条件付け 場所皤好性試験にて高脂肪食を強く噃好した。本 研究で，A/ecpPんマウスは惠脂肪食の条件下で 過食による肥満が重度になること，高脂肪食は Mecp2*'-マウスの視床下部の摂食抑制障害と報酬 系の食行動調節陣害を一層增悪することが解明さ れた。