リンパ系腫瘍は多施設共同第III相試験をはじめとする臨床試験開発により標準療法が確立し進歩してきた。Japan Clinical Oncology Group-Lymphoma Study Group (JCOG-LSG)は,リンパ系腫瘍の治療開発を40年にわたり継続している多施設研究グループである。高い科学性と品質の担保ができるシステムを完備され,第III相試験結果から多くのエビデンスを創出してきた。現在,臨床試験を進めていくうえで,幾つかの課題がある。多くの介入試験は特定臨床研究に分類されるが,研究者の法対応の労力は多く今後軽減されることが期待されている。標準療法開発の視点から,研究者主導の臨床試験と企業主導で行われる薬事承認を目指した治験との意義の違いを研究者は常に意識する必要がある。臨床試験を推進する上で,開発初期からの患者意見の取り入れ,ゲノム医療の実装は重要な課題と考えられる。
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