IV.血管肉腫の治療ー現在,過去そして未来ー

摘要

2008年に進行期の皮膚血管肉腫に対しタキサン系抗 癌剤が有効であることが第II相試験であるANGIOTAX 試験により示された後， 本邦でもこの試験の結果を基 にパクリタキセルが保険適用となっている。実際，パク リタキセル，ドセタキセルは放射線療法後に維持療法と して用いられており，放射線化学療法が出現する以前と 比較して飛躍的に全生存率を延長させている。しかし ながら，パクリタキセルに抵抗性となった場合のセカン ドライン治療は確立していない。これは皮膚血管肉腫が 希少癌であり,他の癌腫のようにランダム化比較試験が 施行できないことが大きな要因である。