骨髄異形成症候群(MDS)は様々な皮膚症状を合併することが知られており,壊疽性膿皮症(PG)もその一つである。今回MDSの経過中にPGを発症した症例を経験し,注意すべき合併症と考えて報告する。【症例】68歳,男性。X—1.年秋頃より出現した労作時息切れが増悪し,X年5月に近医を受診した。汎血球減少を認めて当院に紹介となり,線維化を伴うMDSと診断された。染色体検査で一Y,der⑴(1;19) (p11;?),+8を認め,IPSS-R very highであった。治療を考慮するも患者希望で経過観察していた。7月初旬より左下肢の発赤,疼痛を自覚し,発熱も出現したため外来を受信し,蜂窩織炎の診断で入院となった。入院後メロペネムとバンコマイシンで治療したが高熱が持続し,病変部に潰瘍を形成して急激な増大を認めた。各種培養陰性で皮膚科診察にてPGの診断となり,プレドニン投与で病変は改善した。
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