C型慢性肝炎、代償性肝硬変の治療法の変遷と C型肝炎eliminationに向けた取り組み

摘要

C型肝炎ウィルス（HCV)感染によって発症す る慢性肝炎は炎症の持続により肝硬変へと進展 し，この過程で肝細胞癌を併発する。C型肝炎の 治療では，HCV持続感染による慢性肝疾患の長 期予後の改善を目標として，抗ウィルス治療によ るHCVの排除を目指す。当初はインタ一フエ口 ン（IFN)療法によりウィルスの排除が行われて きた。この数年でウィルスに直接作用する化合物 が探索され，直接型抗ウィルス薬（Direct Acting Antiviral; DAA)が登場し，現在ではIFNやRBV を使用せずともHCVの排除が目指せるように なつた。WHOはウイルス性肝炎eliminationと して，2030年までにウィルス性肝炎に対する戦 略を全会一致で採択し，世界中で肝炎を抑制する ための政策措置を積極的に実施する必要性を宣言 した。本邦でもそれに向けたアクションが取られ つつある。