ARONJ発症のリスクファクターとしての骨代謝マ一力一測定の有用性

摘要

Bisphosphonates (BP)製剤ならびに抗RANKL (receptor activator of NF-/cB ligand)抗体投与患者を対象に，ARONJ (anti-resorptive agents-related osteonecrosis of the jaw)発症やその治療効果の予測に血清中の骨代謝マーカーである骨吸 収マーカーI型コラーゲン架橋N-テロぺプチド（type I collagen cross-linked N-telopeptide ： NTX)と骨形成マ一力一で ある骨型アル力リフォスファターゼ（bone specific alkaline phosphatase ： BAP)の有用性を検討した。骨粗鬆症64例に悪性腫瘍37例を加えた総症例数101例に対し，ARONJ発症と骨代謝マ一力一のNTXやBAPとの関係について口ジスティック回帰解析を行い検討した。ARONJ発症患者では，NTX値との相関は認められなかったが，BAP値の低下との相関が確認された。骨代謝マーカーの中でも，BAP値はARONJ発症に関わる重要な因子の一つと考えられた。ARONJ発症に関するBAP値は12.35/ig/l以 下ではhigh risk, 12.35mug/lから15.25mug/lまではmoderate risk. 15.25 mug/l以上ではlow riskと考えられた。BPゃ抗RANKL抗体投与患者に対して，抜歯や歯槽骨などの口腔外科手術を行う際，BAP値はARONJ発症の極めて重要な指標となるものと考えられた。