薄層クロマ卜による 植物色素の分離をもとに， みんなで考える授業を

摘要

光合成色素の分離は，高校では定番の実験だが，探究活動に適している。失敗しないため の押さえるべきポイントを紹介する。試料の水分を砂粒状のシリカゲルで除去することが 特に重要である。また，粉末にした試料や抽出した色素液を低温保存することで，色素液 調製にかかる時間を短縮したり，生徒に実験目的に合つた試料を選ばせたりできるので， 授業内での探究活動の幅が一気に広がる。光合成色素の分離は，高校生物における定番 実験であるが，光合成の色素に興味や疑問を持つ 生徒も多くおり，探究活動の題材としても優れて いる。また，「化学基礎」でクロマトグラフィーの 手法について学ぶが，実験は実施しないことから， 自らの手でそれをおこなうことにより理解の深化 と感動が得られる。しかし，うまく色素が分離し なかった経験はないだろうか。今回，失敗しない でできるボイントと実験の原理などを紹介したい。