光造形方式3Dプリンターの精度に関する報告

摘要

（地独）神奈川県立産業技術総合研究所では，3Dプリンターによる試作支援や製品開発，受託研究などを実施している。支援開始以降，柔らかい素材のエラストマーライクを使用した造形依頼が増えている。さらに多様な要望に応えるために，人肌のような柔らかさ（ショアA2ゴムライク樹脂）からブラスチックのような硬さ（アクリル樹脂）まで造形可能な図1の超軟性造形対応光造形3Dプリンター「M3DS-SA5/4KHi」（ミッツ社）を2020年度末に導入した。本稿では，光造形3Dプリンターの特長の紹介と精度について報告する。導入した装置は，図2のコーター方式と呼ばれる機構で，樹脂槽が移動してコーデイングシート上に樹脂を均一に塗布させ，下部のプロジェクターのLEDによりスライスデ一タを投影し固め，一層ずつ積層される。吊り下げ方式で，造形物が逆さまに造形される。これにより柔らかな造形物にかかる負担を軽減している。主な仕様を表1に示す。以下に特長を示す。