心臓病治療に向けた左心室メカノエナジエティクス解析 による収縮効率の重要性

摘要

心臓病の薬物治療において，左心室のェネルギ一 効率の理解は大変有用である。一方，心臓の機械 的仕事量とエネルギ一消費の関係性である収縮効 率を調節する機序は知られていない。我々はラッ卜摘出心臓の血液交叉灌流実験系とEmax-VOs-PVAフレームワークを用いて，心臓の力学的ェ ネルギ一学的性質（メカノエナジエティクス）に 関する多くの研究を行ってきた。心不全治療薬と して期待されている新規ミオシンァクチべ一ター では，収縮効率が改善していることや，熱中症な どの高体温時での心臓が有する大変ユニークな性 質などについて，これまでに報告してきた。本稿 では，ラッ卜摘出心臓の血液交叉灌流実験系と Emax-VOs-PVAフレ一ムヮ一クを用いて，左心 室メカノエナジエティクス解析によって明らかと なる収縮効率について，我々の最近の研究成果を 例にして概説する。