食品関係事業者?消費者などが知っておくべぎチーズにおけるリステリアの挙動

摘要

Listeria monocytogenesステリア）は、国外ではたびたび集団食中毒を経験しており、リステリア症を発症した場合、致死率が20～25程度であることから、海外においては最も重要な食品媒介性細菌の一つであるという考え方が定着している。さらにリステリアは、低温増殖性があることから、冷蔵庫での保存中にも増殖が認められており、細菌制御に有効とされている冷蔵管理が充分に機能しない。加えて耐酸性や耐塩性が高いこと、環境中に広く分布していることなどから、感染の可能性が高いと考 えられている喫食前に加熱されることのない市販の調理済み食品から平均2程度分離されている。こ のような特性を持つリステリアは食品の微生物管理の観点から最も注意が必要な食品媒介性感染症 の起因細菌であるといえる。