東北における採血役割分担ー効率的自給体制を目指して

摘要

血液需給管理は，かつては各県単位で行われ，東北地方は必要量を確保できず，また非効率的であった.そこで血液事業の広域化に伴い,必要な血液量を確実?効率よく採血するために地域血液センターが取り組んでいる採血役割分担を紹介する.【方法】2016年度から全血は，ブロック内の各県供給量割合に献血可能年齢に近い生産年齢人口割合を加味した採血に移行した.初年度は各県採血計画を生産年齢人口割合および供給量割合を5:5とし,達成度を確認しながら生産年齢人口割合を高め，2019年度からは県別全献血者割合を生産年齢人口割合にほぼ合わせた.また成分採血は製造までの時間的制約を考慮し，製造所に近い県では新鮮凍結血漿や血小板を，遠方の県では分画製剤用原料血漿を優先して採血した.さらに効率化を図るため，400ml献血率や血小板分割率の向上，移動採血1稼働当り献血者数増加による稼働台数の抑制に努め，業績改善が望めない固定施設の閉所を検討した.