最先端の科学技術を駆使したDSP-1181の創製硏究-AI、光遺伝学の応用と卜ランスレーショナル研究の実践

摘要

大日本住友製薬株式会社（以下、当社）は、精神神経領域を研究重点領域の一つとして位置付けており、優れた医薬品の継続的な創製を目指している。精神神経領域の創薬の課題としては、病態に未解明な部分が多い、病態モデルが欠如している、開発成功確度が総じて低い、特に精神疾患は患者層が一様ではなく、臨床試験でのプラセボ効果が高い、といったことが挙げられる。そのため当社では、研究開発の効率化や開発の成功確度向上の観点から、デジタル技術を取り入れた研究、症候学的な主観的診断に基づいた表層的な症状よりも神経回路異常や遺伝子異常を重 視した研究、非臨床（げっ歯類、非ヒト霊長類）から臨床（健康成人、患者）へつなぐトランスレーショナル·バイオマーカーの研究などに精力的に取り組んでいる。また、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やァカデミアとの共同研究など、あらゆる方面から最先端の技術を取り入れた研究を目指している。