1980年代以降の世界経済の成長に伴い、グローバルサプライチェーンにおける半製品など中間財の輸送需要の増大を反映して国際海上コンテナ貨物は経済成長を上回るスピードで増大した。この増大した貨物需要に対応するため、コンテナ船の大型化による「規模の経済」が追求された結果、グローバルサプライチェーン全体に混雑や非効率が引き起されたことがOECDレポート「The Impact of Mega-Ships」で指摘されたことは記憶に新しい(World Watching 2015 年9月号?10月号参照)。また、ポストコロナを見据えた国際海上コンテナ貨物需要の回復とその後の増大傾向が見られるなか、独ハンブルグに本社を置く海事コンサルタントOceans One社が「Economies of scale from Post Megamax Container vessels」というレポートを2021年に発表した。このレポートでは、造船工学的な観点から具体的なモデル船型の基本設計をベースに、船長、船幅、喫水、積載能力(TEU)エンジン出力等を明らかにして、従来のMegamaxコンテナ船(20,000TEU級)と更に大型のGigamaxコンテナ船(27,000?29,000TEU級)に関する工学的?経済的フィージビリティが検討されている(表1、図1)。
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