都市の3次元空間情報の整備に関する事例紹介

摘要

バーチャルシンガポール，ヘルシンキ3D，ニューヨークなど国際的に都市のデジタル空間情報整備が進んでいる．サイバー空間とフィジカル空間の融合によるSociety 5.0の実現に向けて日本においてもプロジェクトが進む中で国土交通省都市局が主導するまちづくりのデジタルトランスフォーメーションを推進する施策によって2020年度に全国56都市がCityGMLとi-都市再生技術仕様案（i-UR）の技術仕様で整備され，地物の属性情報を有してウェブアプリケーションによる閲覧およびオープンデータが公開された．そのプロジェクトの名称は，Project PLATEAU（プラトー）である．その一方で，空間情報の整備と公開を独自に進める県や自治体があり，この取り組みに先進的な静岡県ではVIRTUAL SHIZUOKAプロジェクトを立ち上げ，整備した点群を公開し，2020年度グッドデザイン賞を受賞するほど注目を集めて広く一般にも情報が拡散されている．そのほか，国土交通省の国土交通データプラットフォームのように工事で取得された空間情報なども公開され，都市のデジタル空間の整備と公開が着実に歩を進めている．そこで，本稿では，2つの代表的な空間情報の整備と公開に関するプロジェクトの内容について紹介する．